平戸は今や僕の第二の故郷。
助けていただいた方々への感謝を忘れずに
この地で農業を続けていきたいと思います。
アスパラ農家
乾 史弥
Fumiya Inui
田舎暮らしを夢見て29歳の時に大阪から平戸に移住してきた乾さん。未知の地での挑戦はやはり一筋縄ではいかなかった。
一年間の研修を経て、平戸の農家さんを手伝いながら独立の準備を進めるものの、肝心な農地が希望通りに見つからない。市職員も一体となりやっと見つけたのは、他界した旦那さんに代わって地主となったおばあさんが守ってきた大切な土地。そして、その土地の管理者は福岡で会社を経営する、娘婿にあたる人だった。
いざ管理者との交渉が始まると「僕が大阪人だからか(なぜわざわざ平戸で農業を?と)最初はすごく警戒されましたが、話し合いの回数を重ねていく内に心を開いてくれ、貸していただくことになりました」と乾さん。関西人=口達者の一般的なイメージとは違い、寡黙で謙虚な人柄は管理者の心を強く動かした。交渉に常に同席していた市職員は「乾さん自身は言いませんが、粘り強く交渉し最終的に『あなたに惚れました。応援します』『賃貸で契約しますが、十年間しっかりお支払いされ、その時にまだこの土地を買う気があるのならお支払いいただいた分を頭金にしてください』と管理者に言っていただきました」と自分事のように話す。
独立して三年目の乾さん。「市・県の補助、『平戸アスパラガス部会』や地域の方々などの様々なサポートがあってここまでこれました。あとは頑張り次第。昨年は十アール当たり年間二トン弱の収穫でしたので、三トンを当面の目標にしたいと思います。」と語る。
最後にもう一つの大きな夢も教えてくれた。「実は、両親の快諾を得ないまま平戸へ移住してきました。成功して、いい意味で予想を裏切り、更には、平戸ってそんなに良い所なら移住したいと両親に言わせたいです」。
生活に刺激の無い大阪を離れたいと考え、昔から夢だった田舎暮らしを実現させるための手段として農業の道を選びました。(漁業は船が苦手なので……)
糸島・鹿児島など候補地はいくつかあったのですが、平戸は大学生の時に訪れた際に雄大な自然が印象的だったことと、市役所さんの対応が一番良く、熱意を感じたからです。
自分は農業に向いていないのか、想像してたよりはうまくいかない。
まだまだ収穫量が少ないです。水の管理など勉強不足が原因です。
それはないです。現状は発展途上で体力的にもきついのは確かですが、楽しくやってます。
頑張った分お金になりますし、これからどんどん収穫量を増やす工夫をしていかないと、と思っています。力になってくれる頼もしい奥さんもいますし。それと平戸は大好きな魚釣りには最高の場所ですし。
アスパラ農家は頑張れば頑張るだけ収入・モチベーションが上がる仕事。
やる気と行動力があれば大丈夫だと思います。自分や優しい先輩たちもいるので、一緒に平戸で農業やりましょう!