帰農、今日、明日

17年取材・制作 イチゴ農家 遠藤久人

手を掛けた分返ってくることが農業の喜び
その経験と実績を積み重ねて
ゆくゆくはその喜びを次の世代へと引き継いでいきたいです。

イチゴ農家

遠藤久人

Hisato Endo

平戸島中部でイチゴ農業を営む遠藤さん。長崎県立農業大学校を卒業後、そのまま就農はせずに、一旦は農協や異業種を転々とする。しかし、幼い頃から慣れ親しんだ農業への想いを断ち切れずにいたちょうどその時、平戸市役所から農業研修の案内を受け、就農を決意。平成17年に大浦正巳氏の下で研修を受けたのち、晴れて独立経営の道を歩み始める。

就農初年度はハウスの土地借用の交渉や、苗を作る場所の確保など、想定外の苦労はあった。それでもなんとか収穫まで行うことができたのだが、「一番大変だったのはパック詰めです。うまくできずに、1日にハウスの半分を収穫してパック詰め、次の日にあとの半分を採ってパック詰めの繰り返しで、ずっと休みがなかったですね」と遠藤さんは振り返る。それから十数年の時が過ぎた今、さすがに作業は慣れたものの、収穫以外をほぼ一人で行っているため、まだまだ十分な儲けを得るには至っていないと言う。それでも辞めたいなどとは思わない。「将来的には今の倍の面積を作り、少しでも多く儲かっていきたい」と意気込みも新たに挑戦は続く。

そんな遠藤さん、寡黙でおとなしいイメージとは裏腹に、農協青年部の支部長などの要職を受けたり、異業種の組織活動にも積極的に参加するなど、人のつながりを大事している。「基本的に人と接することは嫌いじゃないですので、様々な活動を通じて視野を広げていきたいです。そしてできれば、自分も大浦さんに教えていただいたように、次の世代に引き継いでいきたい気持ちはあります。」と語る遠藤さんの姿に、控え目な言葉の中にも、強い意志を感じた。

  • イチゴハウス 平戸中部に位置する、1反(1000平 米)の遠藤さんのイチゴハウス。
  • 遠藤さん 「イチゴは手を掛けた分育ちますか ら、その反応を見るのが嬉しいで す」と、黙々と作業をする遠藤さん。
  • 愛車との一枚 愛車との一枚。最近は作業すること が一番の楽しみとなったため、趣味 のドライブに費やす時間も減ったと のこと。

Interview

―農業のやりがいや楽しさってどういうところですか?

イチゴは皆が好む作物だと思いますし、そのイチゴをある程度自分の好きなように栽培できるというと
ころですね。あまりマイペースになると遅くなったりしますけど…

―農業の厳しさはどういったところですか?

自分は収穫以外は基本的に一人でやっているので、作業が追い付かなかったり、手が回らなかったりす
ることがたまにあることですね。あと、場所によって栽培環境が違ってくるので、日当たり・水はけが
良くない場所だと苦労することも多いかもしれません。

―平戸で農業をされるにあたって、魅力や良いところはありますか?

「平戸いちご部会」ではみんなが助け合っていることですかね。特にビニール貼りとかは一人ではでき
ない作業ですので、みんなで持ち回りみたいにしてやっていますね。

―ぶっちゃけ、イチゴ農家さんって儲かるんですか?

自分は今一人でやっていますので正直まだまだですが、労働力や手の掛け方が大きく関係してきますの
で、それをクリアすれば儲かるのではないかと思います。

―新規就農希望者が平戸でイチゴ農家になる為の一番の近道は何だと思いますか?

やはり研修は受けた方が良いと思います。経営までとなるとゼロスタートではのちのち苦しむことにな
るので、実地研修を通じ先輩たちと触れ合いながら研修していくことが一つ近道かなと思います。

―そういう遠藤さんが、これから先は研修生を受け入れる側になることも?

そうですね。やはりそういう繋がり・流れができると一番ですね。今まで自分がやってきた組織活動へ
の参加も、ある意味その為(後継者育成)でもありますし。ただ自分は指導が出来る程には至ってませ
んので、まだまだ先の話ですが…

―最後に、平戸で新規で就農される方に向けて一言エールをお願いします!

平戸のイチゴよかばい! 平戸で一緒にイチゴやろうや!!

動画紹介

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