平戸市は、九州本土の西北端、平戸瀬戸を隔てて南北に細長く横たわっている平戸島と、生月島、大島、度島、高島の有人島及び九州本土北部の沿岸部に位置する田平町と周辺の多数の島々で構成される、人口およそ2万8千人の島です。今から400年ほど前、日本で最初の西洋貿易港として、イギリスやオランダとの交流が始まりました。西洋文化の橋渡しとなった平戸。街のいたるところに、歴史を物語る建物や史跡、島々に残された先人たちが積み重ねたロマンがあふれる島です。
平戸の1/5は西海国立公園に指定され、美しい海と大自然が広がっています。大草原が広がり、頂上からは辺りの海や島が一望できる絶景の「川内峠」、生月島の西側に広がるリアス式海岸の屈曲に富んだ海岸線の道路「サンセットウェイ」、長崎県で初めて国の重要文化的景観に選定された平戸島西部の棚田群(春日の棚田)や農漁村風景など、思わず感嘆してしまう美しい自然風景の数々に囲まれた島です。
平戸では、16世紀にキリスト教の布教があって以来、繁栄・弾圧・潜伏・復活という一連の歴史の中で、一貫して信仰を継続させてきました。現在、カトリック信者は平戸市の人口の約10分の1。集落に点在する、13の美しき教会と共に、祈りの文化を次世代に残し続けています。
「じげもん」とは長崎弁で「地元の物(者)」という意味。平戸は、四方の海からヒラメやアラ、アゴ(トビウオ)や、アワビにウチワエビなど、陸上では長崎ブランドを担う平戸和牛や、野菜や果実も豊富なまさに食の宝庫なのです。